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(2) 御朱印について
朱印の歴史
 
 広辞苑によると「@朱肉で押した印  A室町〜江戸時代に、武将が用いた朱肉の印 また、その公文書 百姓・町人は使用が許されなかった」と記されています。武家社会ではこの朱印を押した「朱印状」は認知・安堵の認証として用いられたのであります。
 
 ところがこの項で言う「朱印」は自らが心を込めて書写した「経文」を寺院や霊場に奉納した証として、寺院が自ら朱印して発行・授与した請取状を起源としています。

 また、書写した経典を霊場や寺院に納めることを「納経」と言い、朱印は「納経印」とも言われます。更に最も古いと称される「西国観音巡礼」では、朱印は閻魔大王が授けた「宝印」とされ、魔除けの呪力があると信じられていました。

 御朱印の歴史を云々するには上記の「西国観音巡礼」を振り返って見なければなりません。すなわち、霊場を旅して信仰を確認しより深めようとすることを「巡礼」と言いますが、仏教だけでなくキリスト教、イスラム教やヒンズー教においても同じであります。日本においては「西国観音巡礼」をはじめ「四国八十八ヶ所遍路」や「坂東」・「秩父」の観音巡礼など各地に様々な巡拝コースがあります。
 その中で「西国観音巡礼」の歴史は最も古いと言われ、伝説によると養老二年(719)大和長谷寺の徳道上人によって創設され、270年後の永延二年(988)に花山法皇によって復興されたのであります。
 何れも遠き奈良・平安時代のことであります。


広辞苑
「巡礼・遍路がわかる事典」 中山和久著 日本実業出版社
「西国三十三ヶ所観音巡礼」 下休場由晴著 朱鷺書房
参考にさせて頂きました